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問題児の相続人に「相続開始したことを知らせない」のは可能ですか?


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問題児の相続人に「相続開始したこと」を知らせたくない

家族の中に暴力や犯罪といったトラブルを抱えた相続人がいた場合、その人に対して「相続を知らせない」といった選択肢を希望する方々は大変多く見受けられます。

またその相続人が借金やギャンブルなどの問題を抱えている場合は、遺産相続というお金に関する話をしたくないと家族が思うのも自然なことだと言えるでしょう。

今回は、「問題児の相続人に対して、相続を知らせないことは可能?」という皆さんの疑問の答えについて考えていきます。

遺産分割協議は相続人全員で行う必要がある

被相続人によって残された財産を分け合う遺産分割協議には、相続人全員の同意が必要となります。

問題児の相続人と長年疎遠になっていて誰も居場所を知らない場合は、必ず戸籍の附票などを辿って連絡先や現住所を探さなければなりません。

またこの方法を使っても問題児の相続人の所在がわからない時には、家庭裁判所に対して不在者財産管理人選任の申し立てをする必要があるのです。

こうした形で相続人の行方不明時の対応が決まっている相続手続きにおいては、他の相続人の「知らせたくない!」とか「遺産を分け合いたくない!」といった想いだけでは遺産分割協議ができない実態があります。

被相続人が自筆証書遺言を残していた場合

遺言書を残されていた場合、その種類によって対応が変わってきます。

被相続人が全ての文章を自分で書いた自筆証書遺言の場合は、裁判所で行われる検認に法定相続人が立ち会うことが原則となります。

この場合に「特定の相続人が問題児だから!」といった理由で裁判所に呼ばなければ、その遺言書の開封をすることもできなくなります。

問題児の相続人がいる場合は公正証書遺言の作成がおすすめ

これに対して公証役場で公証人に作ってもらう公正証書遺言の場合は、問題児の相続人に連絡をせずに遺言執行できるメリットがあります。

しかし全ての相続人の権利とも言える遺留分には、「相続開始を知った日から1年」または「被相続人が亡くなってから10年」という時効がありますので、万が一問題児の相続人が突然あらわれた時に遺留分減殺請求を行われるリスクが存在することを頭に入れておくようにしてください。

また問題児の相続人の出現によって相続手続き全般にトラブルが生じている場合は、早めに相続問題全般に詳しい弁護士に相談をすることをおすすめします。


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