寄与分を獲得したい人に知って欲しい3つのポイント
どんなケースで寄与分が認められるの?
具体的には、「長男が長きに渡って父の事業や会社を手伝ってきた」とか「娘が正社員として働いていた仕事を辞めて入院中の看病をしてくれた」といった内容が当てはまります。また寄与分を他の相続人に認めてもらうためには、無償性、継続性、専従性の3ポイントと、妻、子、兄弟姉妹といった法定相続人であることという条件があるため、家族以外の第三者や内縁の妻などは基本的にNGと捉えてください。
寄与分が認められる5つの型
他の相続人に寄与分を認めてもらうためには、自分が故人に行ったことが下記5つの型のいずれかに当てはまる必要があります。
・家事従事型
・金銭等出資型
・療養看護型
・扶養型
・財産管理型
例えば相続人のひとりが被相続人の療養看護に専念することで、訪問看護ステーションの利用料といった費用の支出を免れた場合は、療養看護型として寄与分の主張が可能となります。「老親の看護」と「病気の看護」の2つに分かれる療養看護型の場合は、前者の方が貢献度が高いと判断されます。
また何らかの理由で無職になってしまった故人の生活費を支払った場合は、扶養型となります。夫婦の場合は相互扶助の義務がありますので、扶養型で寄与分を認めさせる場合は、特別の寄与を主張しなければ権利を得ることは難しいと捉えた方が良さそうです。
寄与分を主張する際の手順・流れ
寄与分の獲得に向けて最初に行うべきなのは、遺産分割協議で故人に対する自分の貢献度や寄与分の主張をすることです。被相続人の生前の頑張りを家族が認めてくれた場合は、何の問題もなく相続財産を多めにもらうことができます。
これに対して家族が被相続人への貢献度や寄与分を認めてくれない場合は、離婚問題と同じように調停による問題解決にシフトするしかありません。調停や訴訟で寄与分の主張をする場合は、申し立てをした本人が自ら資料を準備し、その内容に基づいて調停が進んでいきます。ある種の証拠とも言えるこの書面は、相手方と裁判所の両方に提出しなければなりません。
亡くなった被相続人への貢献度が明確にできなければ、他の相続人の心を動かすことも難しくなりますので、少しでも不安要素がある場合は、相続問題の知識に詳しい弁護士に依頼をして各種資料作成や調査のサポートをお願いするのが理想と言えそうです。