有価証券における相続税評価方法と注意点
上場株式における評価方法
有価証券を代表する上場株式における相続税評価方法には、さまざまな注意点があります。
例えば、国内にある2つ以上の金融商品取引所で上場されている株式に関しては、納税義務者側で金融商品取引所の選択ができる仕組みとなっています。
個人間の対価を伴う取引によって取得した株式や負担付贈与の場合は、その株式が上場された金融商品取引所の公表した課税時期の最終価格によって評価を行う形です。
気配相場等のある株式における評価方法
気配相場のある株式とは、日本証券業協会によって指定されている店頭管理銘柄や、同協会により登録された登録銘柄、所定要件を満たした公開途上にある株式の総称です。
気配相場等のある株式の評価についても、前述の上場株式に準じた方法で評価を行なっていく形となります。
店頭管理銘柄および登録銘柄の評価をする場合は、上場株式の評価方法に欠かせない終値について、日本証券業協会が公表した課税時期の取引価格と読み替える仕組みです。
この取引価格に安値と高値が両方ある場合は、その平均値をとるようにしてください。
非上場株式における評価方法
ここまで紹介した上場株式や気配相場などのある株式以外のものを、非上場株式と呼びます。
非上場株式の評価方法は、他の種類と比べて非常に複雑です。
基本的には、同族株主などに該当しているか否か、大会社・中会社・小会社のどれに該当しているか、特定会社に該当しているか否かの3ポイントの判定によって評価方式が決まる仕組みです。
利付公社債における評価方法
利付公社債の評価額を計算する場合は、いずれの場合においても課税時期において利払いの日が到来していない利息の中で、課税時期現在の経過分に該当する「既経過利子の額」を用います。
例えば、金融商品取引所に上場済みの利付公社債に関しては、「最終価格 + 既経過利子の額 -源泉徴収税額相当」といった式を使って計算・評価をする仕組みです。
こうした形で利付公社債を含め、有価証券の相続税評価方法にはさまざまな注意点や基準があります
また遺産相続手続きのタイミングで有価証券の相続税評価を行おうとすると一般の皆さんにとってはかなり理解が難しい実態がありますので、こうした相続を行う予定がある場合は早めに弁護士に相談をしながら対策を講じるのが理想と言えそうです。