未支給年金における相続税と所得税の課税関係
目次
未支給年金の相続税と所得税の課税関係が知りたい
亡くなった被相続人が高齢者だった場合、未支給年金の扱いや課税関係について弁護士事務所への問い合わせをする相続人が大変多い実態があります。
特に残された相続人がまだ現役で仕事をしていて、年金受給とは無縁の世代だった場合は、未支給年金というキーワード自体に馴染みのない実態もあるようです。
今回は、年金受給者の遺産相続を行う相続人の皆さんと一緒に、未支給年金における相続税と所得税の関係について、詳しく解説していきます。
まずは国民年金の概要を確認
65歳以上の人たちが受給できる国民年金は、偶数月の15日に前月分と前々月分が振り込まれる仕組みです。
例えば、10月15日に振り込まれる国民年金は、前々月分の8月分と、前月分となる9月分が該当する形となります。
年金受給者である被相続人が8月3日に亡くなった場合は、相続が発生した8月分まで相続人からの請求により年金がもらうことができます。
未支給年金の定義も知りたい
未支給年金というのは、遺産相続の発生時点で受給していない年金のことです。
ここで言う受給していないの意味は、「生きている間に、年金が受け取られていないこと」を指します。
例えば、10月16日に被相続人が亡くなった場合、10月15日に8月分と9月分が振込となっているため、10月分だけが未支給年金になる仕組みです。
これに対して10月14日に被相続人が亡くなった時には、8・9・10月分が未支給年金という扱いになります。
未支給年金における所得税の課税関係
被相続人が亡くなった年の1月1日から相続開始までの収入については、準確定申告を行う必要があります。
しかし未支給年金については、相続開始の段階で実際にお金を受け取っていないため、準確定申告の際に申告する必要がありません。
被相続人が亡くなった後に請求を行う未支給年金は、相続人の収入となる存在です。
一時所得に該当する未支給年金の場合、年間50万円の特別控除がありますので、その額を超えない時に相続人が確定申告を行う必要はないと考えてください。
未支給年金の扱いでわからないことがある場合は?
被相続人が受け取れなかった未支給年金や、遺産相続手続きの中で行われければならない準確定申告や確定申告の流れでわからない点がある場合は、相続問題に詳しい法律の専門家に相談をしてください。
相続問題を得意する弁護士は、多くの相続人が悩みを抱える遺産分割協議などの相談にのることもできますので、不明点や疑問点等がある場合は早めに問い合わせをするようにしてください。