相続税で1円も損をしたくない人必見!生前贈与契約書の基礎知識と注意点
目次
生前贈与契約書とは?
財産贈与の確約をするために、贈与者と受遺者の間で取り交わされる書類のことを、生前贈与契約書と呼びます。
民法のルールで考えると、財産の贈与は口約束でも成立させることが可能です。
しかしこうした形で贈与の話を取り決めてしまうと、後々になって言った・言わないを含めた相続争いなどのトラブルが生じやすくなってしまうのです。
また2015年1月に相続税法が大改正されてからは、一般家庭の皆さんでも相続税の課税対象になってしまうケースが増えたことから、こうした生前贈与契約書を取り交わすことで1円も損をしないと考える方々が大変多く見受けられるようになりました。
生前贈与契約書がない場合のトラブル1 贈与がないとされてしまう
生前贈与契約書が存在すると、子供や配偶者に対して渡したお金に対して「贈与したのか?貸したのか?」の区別をしっかり付けられるようになります。
例えば、被相続人が亡くなって遺産相続手続きを開始する場合に、贈与を受けた相続人のひとりが「あのお金は借りたんだ!」と主張すれば、相続税の計算や遺産分割において争いの原因が増える形となります。
また父母や祖父母が相続人から介護を受けていた場合は、口座の管理を家族の誰かに任せざるを得ない状況となりますので、生前贈与契約書のような形で「介護に使ったお金」と「贈与をしたお金」について区別を付けておくことも争族対策になると言えそうです。
生前贈与契約書がない場合のトラブル1 名義預金と判断されてしまう
長きに渡って夫が働いていたお金を、妻が家計を一生懸命切り詰めて、自分の口座に3,000万円の貯金をしていたと仮定します。
こうした夫婦の間で夫が給与口座から妻の通帳にお金を振り込んでいても、贈与税がかかることはありません。
しかし相続発生とともに税務調査が入った場合、この3,000万円に対して税務署が夫の相続財産への加算を求めることもあるのです。
また孫などへの贈与に契約がない場合においても、税務署では祖父の財産を孫の名義に移しただけと判断するケースが多いため、こうしたトラブルを防ぐためにも生前贈与契約書の存在が必要になると言えそうです。
生前贈与契約書をつくる上での注意点
生前贈与契約書を作成する際には、日付、誰から誰への贈与か、不動産や現金といった贈与したものを具体的に書く必要があります。
また不動産関連の生前贈与契約書の場合は、200円の収入印紙が必要となりますので、注意が必要です。
被相続人となる自分に多くの財産があり、生前贈与契約書の作成についてその判断が難しい場合は、今後想定させる相続問題を含めて弁護士に相談をするのが理想と言えそうです。