相続税における税務調査の手順と基礎知識、対応方法
相続税の税務調査はいつ頃どんな情報をもとに行われるの?
被相続人の死亡から7日以内に提出される死亡届が市町村役場に提出されると、そのデータから税務署に届き「誰が亡くなったのか?」を把握する形となります。
また市区町村役場では固定資産税評価額のデータも税務署に通知しているため、相続税が発生しそうな人の情報についても早い段階で把握可能と言えるのです。
税務調査の時期としては、相続税の確定申告から6ヵ月後~2年後に行われるのが一般的です。
税務調査で指摘を受けやすい3つの金融資産
税務調査の指摘が多い金融資産としては、被相続人本人の預貯金、被相続人本人の生命保険、名義貯金の3つが挙げられます。
例えば、被相続人の死亡前3~5年間において1回につき50万円以上の引き出しがあった場合は、税務調査でその使徒を質問される可能性が高いです。
調査権を持つ税務署では、証券会社や銀行の入出金履歴の確認ができる形となりますので、家族名義の口座を含めて不正入金は行うべきではないと言えるでしょう。
また契約者が本人以外で、被相続人が保険料負担をしている生命保険についても、保険金が相続税の対象となることで、税務調査のチェックを受ける可能性が高い部分となります。
最後に名義預金については、相続税の申告の起こりやすい存在となるため、税務署側のチェックが厳しい実態があるようです。
税務調査の手順と対応方法のポイント
税務調査のスケジュールは、調査着手予定日の1週間~10日前に調査官より日程調整の連絡が入る形となります。
場合によっては相続人全員の立ち会いが必要となる税務調査が行われる場合は、必ずその連絡を全ての相続人に伝えなければなりません。
相続税の税務調査の場合は、相続財産を残して亡くなった被相続人が生前に住んでいた自宅で行われるのが原則となります。
この調査を通して申告漏れが見つかった場合は、修正申告書に相続人全員の了解が必要となりますので、他の相続人に対しても負担増の可能性があるといったことを考えると、どんなケースであっても必ず調査前に連絡を入れておく必要があると言えるでしょう。
相続税税務調査への対応に不安がある場合は?
相続税の税務調査は、税金のプロフェッショナルとも言える税理士に同席してもらうことも可能です。
また近頃では、遺産相続問題に詳しい法律事務所で税理士との連携や紹介ができるところも増えていますので、まずは遺産分割協議や相続放棄の相談を含めて弁護士に問い合わせをしてみても良いでしょう。