遺留分と代襲相続に関して知っておきたい注意点
代襲相続とは?
被相続人の死よりも先に相続人となる子供が亡くなっていた場合や、相続排除や欠格によって相続権を失った時に、子供の子が相続を行う制度を代襲相続と呼びます。
この制度が該当になった場合は、被相続人より先に死んでしまった相続人の法定相続分を、他の相続人とともに分割する仕組みとなります。
代襲相続ができる範囲については民法887条で定められており、被相続人よりも先に亡くなった相続人の子や孫といった直系卑属と、亡くなった相続人の姪や甥がその対象となります。
遺留分とは?
遺留分というのは、遺言書に残された内容に関わらず、相続人に一定の最低財産の取り分を保障する制度です。
例えば、被相続人である父親が遺言書の中で「内縁の妻に全ての遺産を相続する」といった記載をしている場合、法定相続人である子供たちは亡き父親の財産を引き継げなくなってしまうのです。
しかし遺言書の存在によって生じる不公平に着目した民法1028条では、配偶者、子や孫といった直系卑属、祖父母や父母などの直系尊属に限って、遺留分請求のできる権利を持つと定めています。
代襲相続と遺留分
こうした形で、遺言書で指定された受遺者や、法定相続人以外にも相続権が移る代襲相続と遺留分には、その組み合わせによって権利がないケースがある注意点を頭に入れておかなければなりません。
例えば、基本的な注意点としては、相続人の組み合わせが兄弟姉妹のみだった場合は、普通の遺留分だけでなく、代襲相続の遺留分についても「なし」と考えられるのです。
また遺留分のない兄弟姉妹については、代襲相続をした姪や甥についてもその権利がない形となりますので、注意が必要です。
遺留分がなければ意義は唱えられない
遺留分がないということは、遺産相続手続きで異議を唱える権利もないと考えられます。
遺産相続トラブルの中には、「自分も親族だから!」といった理由で相続権の無い甥や姪が遺言書の内容などについて口出しをするケースも少なくありません。
しかしこういった人たちに相続権がなければ、その主張に振り回される必要がないと考えて良いのです。
また遺留分すらない方々の主張に付き合っている限り遺産相続手続きも進みにくくなりますので、お困りの際には相続問題に強い弁護士に相談をしてみてください。