遺言書を無効にしないための注意点と自筆証書遺言の基本的な書き方
自筆証書遺言とは?
自筆証書遺言とは、その名のとおり被相続人がペンなどを使って自分の意思を示した遺言書のことです。
特別な手続きを必要とせず作成できる自筆証書遺言は、最も多くの方々に選択されている遺言方法です。
民法968条においては、「遺言者が、日付、全文、氏名を自署すること」と「印を押すこと」を自筆証書遺言の条件として定めています。
今回は、これから自筆証書遺言を作ろうと考えている皆さんと一緒に、作成時の注意点や大事な遺言書が無効にならないためのポイントを確認していきます。
自筆証書遺言をつくる前に準備すべきこと
被相続人が自ら遺言書をつくる場合は、自分が残す相続財産の特定や相続人の範囲などを確認しておく必要があります。
遺言書の中に記載されている財産の数や種類、登場する相続人に誤りがあると、残された家族の間でトラブルが生じる可能性もでてきます。
また民法975条では、「2人以上の者が同一の証書で行うことはできない」と定めていますので、どんなに仲の良い夫婦であっても共同の遺言書を作れないルールを頭に入れておくようにしてください。
字が下手だからパソコンで自筆証書遺言をつくるのは可能?
民法968条で「自署すること」と定める自署証書遺言は、どんな事情があってもパソコンや音声、動画などでは作成できない存在です。
手書きではない遺言書は全て無効になりますので、大事な想いを残された遺族に伝えたいと感じた場合は必ず、どんなに下手であっても自分の文字で文書を作成するようにしてください。
また遺言書の文字が消えてしまうと大事なメッセージが相続人に残せなくなりますので、ちょっとのことでは破けない丈夫な紙や封筒、油性ボールペンなどを用意することも忘れないようにしてください。
作った自筆証書遺言はどこに保管すべき?
作成した自筆証書遺言は、被相続人が自分で保管をします。
この時に「自分が亡くなった時に家族が困らないように!」と多くの人が目につく場所に遺言書を置いておくと、内容を見た家族の間で争族問題が生じる可能性もでてきます。
また、探すことがあまりにも難しい場所に遺言書を隠しておくと、それを見つけられなかった相続人の間で「遺言書はない!」と判断される可能性もでてきますので注意が必要です。
相続問題に詳しい弁護士事務所では自筆証書遺言の書き方だけでなく保管方法についてもアドバイスを行なっていますので、より良い策が見つからない時には気軽に相談をしてみてください。